【完全保存版】準備した遺言が無効にならないために知っておくべきこと【専門家が解説】
遺言はご自身で作成することは可能です。
しかし、遺言の形式はは法律で厳格にルールが定められているため、場合によっては形式不備のために「無効」になってしまうケースもありますので、遺言を作成する前に必ず作り方は押さえておく必要があります。
今回は、「自分で作成した遺言が無効にならないために気をつけるべきポイント」について、徹底的に解説します!
遺言とは
遺言
遺言とは、遺言者の最終の意思を表したものです。
自分の財産について、誰に何を相続させるか、自由に決めることができます。
さらに、 財産に関する事項以外にも遺言で定めることができますが、遺言の内容に法律効果をもたらすことができる事項は、法律で決まっています。
遺言には、1.普通方式と2.特別方式があります。
1.普通方式
●自筆証書遺言
●公正証書遺言
●秘密証書遺言
2.特別方式
●危急時遺言(一般・難船)
●隔絶地遺言(一般・船舶)
家族へのメッセージ
法律的に意味のある遺言は、民法で決められています。
もちろんそれ以外のことを書いてはいけないというわけではありません。
法的には効力を一切持ちませんが、家族へのメッセージや遺言を書くに当たっての心境(なぜ、このような遺産配分をしたのか、など)を前文に残しておくことも良いかもしれません。
遺言が無効となるケースとは
遺言には本人が本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印した自筆証書遺言と、遺言者本人が公証役場に出向き、証人2人以上の立会いのもとで、遺言の内容を話し、公証人が筆記する公正証書遺言が主なものになります。
その他には秘密証書遺言などもありますが、基本的には自筆証書遺言と公正証書遺言での作成がほとんどです。
自筆証書遺言の作成方法
・ 全文を自筆で記載
・ 縦書きと横書きなどの形式は自由で、用紙の制限なし ※筆記具もボールペン、万年筆など何を使用可
・ 日付、氏名も自筆で記入
・ 捺印 ※認印や拇印でも可。実印が好ましい
・ 加除訂正する時は、訂正個所を明確にし、その個所に捺印の上署名
自筆証書遺言が無効になる原因
日付がない
遺言には作成した日付を入れる必要があります。
これは作成時の遺言能力の有無や内容の抵触する複数の遺言の先後を確定する(前の遺言は無効)ために要求されるからです。
そのため、日付が入っていない遺言は、正式な遺言として認められません。
具体例
「平成20年3月吉日」という記載は無効。
一方で、「還暦の日」は日付が確定できるため有効となる。
パソコンや代筆による作成
遺産目録以外の全文は直筆でないとなりません。
具体例
タイプライターによる作成は無効。
自筆証書をコピー機でコピーして作成した遺言は自書の要件を満たさない。
一方で、カーボン複写による遺言は有効。
署名押印がない
押印も自署と同様に遺言者の同一性及び真意を確認するために必要となる。
しかし、使用すべき印章には何の制限もないため、三文判でもよい。
具体例
署名がない遺言は無効。
一方で、印章に変えて拇印(指印)でも有効となる。
※遺言の訂正方法
・その場所を指示すること
・変更した旨を付記すること
・付記部分に署名すること
・変更場所に印を押すこと
公正証書遺言の作成方法
まずそもそも、公正証書遺言の作成方法は以下の通りです。
・証人2人以上の立会いのもとで、公証役場へ出向く
・遺言者が遺言の内容を公証人に口述 ※聴覚・言語機能障害者は、手話通訳による申述、または筆談により口述に変更可
・公証人がその口述(口授)を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、または閲覧
・遺言者および証人が筆記の正確なことを承認したうえで、各自が署名捺印
・公証人がその証書を法律に定める手続きに従って作成されたものである旨を付記して、これに署名捺印
公正証書遺言は法律の専門家が作るため確実なものとされていますが、例えば以下の5つの原因で無効になることがあります。
「公正証書遺言」が無効になる原因
遺言能力がない
遺言能力とは、判断能力などがあることを指し遺言を作成した時点で遺言者が以下の診断を受け、判断能力がないと認められていると無効になります。
例えば、認知症と精神障害に該当する方は、「遺言者に遺言能力がなかったのではないか?」と疑われる可能性がありますので、作成当時の病院の診療記録や看護記録を確認や、当時の意思に確認する必要があります。
口授を欠いていた
「口授」は、遺言者が口頭で遺言内容を公証人に伝えることで、公正証書遺言を作成する際、法律上必ず踏むべき手順ですが、近年では遺言者が事前に内容を公証人と話し合ったり、第三者が代弁したりして内容を詰めておくことがあります。
そのため、作成当日は公証人が記載内容を読み上げ、問題がないかどうか遺言者に確認することが多く、打合せ段階で第三者の主導で遺言内容を決めてしまっていたとしても、当日遺言者が内容を理解していなくても、「はい」とさえ返事ができれば公正証書遺言が作成できるというケースもあります。
証人が不適格だった
公正証書遺言を作成する際には、2人以上の証人が必要です。
承認として非該当となるケースは、未成年者、推定相続人やその家族、財産を譲り受ける人とその家族、公証人の家族や4親等以内の親族、公証役場の職員や公証人に雇われた人、真意と内容に錯誤があったことが該当します。
遺言者の意図と遺言内容に違いがある場合、遺言は無効になります。
具体的には
・「表示上の錯誤」:書き間違い、言い間違い
・「表示行為の意味に関する錯誤」:考え自体が勘違い
・「動機の錯誤」:その考えに至るまでのきっかけに勘違いがある
が当てはまります。
公序良俗に違反していた
社会的、道徳的に認められない場合、その遺言は無効になります。
具体的には、
・戸籍上の妻子がいるにも関わらず、愛人に全財産を譲る
・経営者が顧問弁護士に会社の全財産を譲る
場合が挙げられます。
その他、遺言が無効になる原因
共同で遺言を作成
遺言は2里以上の者が同一の証書でなすことができません。
このような遺言を共同遺言といい、共同遺言を許すと、自由な撤回ができなくなり、最終意思の確保という遺言の趣旨が阻害されるためです。
ただし、同じ紙に書かれていても切り離せば、全く独立した2通の遺言になるような場合はこれに該当しません。
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