相続手続を放置しておくと大変なことに!
相続手続きを放置していませんか?
相続手続きは、平日昼間にしかできない手続きが多くあり、市役所などの自治体に手続きを依頼する必要があるものや金融機関に手続きを依頼するものがあります。ご葬儀だけでも大変なのに、ご遺族様にはまだまだ行うべき相続手続きがあります。
なので、普段のお仕事などで忙しいために、ご自身で進めることはとても難しいです。
そのため、どうしても相続手続きを放置してしまう方が多くいらっしゃり、実は、相続手続きを放置すると、大変なことになる可能性があります。
相続手続きを放置していると大変なことになります
相続手続きを放置していると、ご自身にとって将来的にリスクが生じてしまいます。
また、相続手続きの中には、期限がある手続きもあり、それを放置していると、いざ相続手続きを行う際に手続きが進まず、ご自身にとってマイナスになることがあります。
期限がある相続手続きの例
1.相続放棄の申述手続き:相続が発生したこと(故人が亡くなったこと)が分かった日から3か月以内
2.故人の準確定申告:相続が発生したこと(故人が亡くなったこと)が分かった日の翌日から4か月以内
3.相続税申告:相続が発生したこと(故人が亡くなったこと)が分かった日の翌日から10か月以内
上記の相続手続きは、期限内に進める必要があり、放置すると将来的にご自身が損をする可能性がありますので、早急に進める必要があります。
「期限内に手続きを進めることが難しい」
「忙しいので自分だけで手続きを進めるのは難しい」
という方は、専門家にご相談いただき、「今後どのように進めればよいか」・「依頼できるものは依頼していただく」方が相続手続きをスムーズに進めることができます。
期限はないが、放置しているとトラブルの原因となる相続手続きの例
1.不動産の名義変更
2.動産の名義変更
3.遺産分割協議
上記3つの相続手続きに期限はありませんが、放置していると将来的に相続トラブルの元になる可能性があります。
「面倒だから」「今はそんな余裕がないから」と放置していると、将来相続トラブルが発生した時に、「あの時に相続手続きを進めていればよかった・・・」と後悔することになるかもしれません。
「普段忙しいから自分で進められない」「そもそもどうすればよいのか全く分からない」という方は、是非専門家にご相談いただき、「今後どのように進めたほうがよいのか」・「専門家に依頼できるものは依頼していただく」ことをお勧めします。
相続手続きを放置した場合の問題点
では、具体的に「相続手続きを放置した場合」にどのような問題が発生するのか、をまとめました。
期限(又は消滅時効のおそれ)がある相続手続きの例
相続放棄の申述手続き
相続放棄の意味は文字どおり、「相続権を放棄する」というものです。
故人の準確定申告
準確定申告は、被相続人(死亡した方)の所得税について申告するものです。
死亡した日までの所得についての申告を相続の開始があったことが分かった日の翌日から4か月以内に行う必要があります。
相続税申告
相続開始が分かった翌日から10ヶ月以内に相続税の申告を行う必要があります。
申告書の提出先は、亡くなられた方の死亡時の住所地を管轄する税務署です。
銀行や信用金庫の名義変更
名義変更をしないとどうなるか
期限はないが放置しているとトラブルの原因となる相続手続き例
不動産の相続登記をせずに放置する問題点
こんなお悩みありませんか?
□遺産分割協議をして不動産を相続することになった、登記の名義変更は面倒だと感じる
□不動産を相続しても登記は義務ではない?登記せずに放置してもいいものなのか
□名義書換の登記をするとお金がかかるので、しばらく父の名義にしておこう
不動産を相続しても上記のように名義変更をしていない方が多く見受けられます。
しかしその場合、大きなトラブルにつながる可能性があるので、早めの名義変更をお勧めしております。
不動産の所有者は「登記」によって公示されています。不動産の所有者が代わったとき「名義変更」は法的な義務ではありません。
前の名義人のまま登記を放置していても罰則はなく、所有権移転登記に期限もありません。
そうなると、相続したときにわざわざ相続登記をしなくても、不利益はないようにも思えます。
不動産の登記を放置するデメリットやリスク
しかし、相続したときに不動産の名義変更をしないと、以下のようなトラブルが起こります。
・他の相続人が勝手に売却してしまう
・あなたの知らない間に勝手に不動産の共有登記をされて、相続人の見かけ上の「持分」に相当する土地
一部が売られてしまったり、その部分に抵当権を設定されたりする恐れがあります。
再び相続が起こったときに混乱
ご自身が亡くなって再び相続が起こったとき、登記をしていないとより登記手続が複雑になります。例えばご自身が亡くなり相続人が相続した場合、まず「土地が誰のものか」というところから調べないといけません。
相続人の名義にするためには、祖父名義のままですので2重に相続登記をしないといけません。また相続登記の資料についても、役所で発行してもらう書類には保存期間があり、何十年と放置していると書類の保存期間が満了になり、発行が出来ない場合もあります。このような場合、お子さん達が名義変更を諦めてしまい、「名義がわからない不動産」として放置されてしまう結果になる事が非常に多くあります。
上記のように不動産の相続登記を放置していると、デメリットやリスクが発生してしまいます。そのようなことにならないようにしっかりとした相続手続を行いましょう。
遺産分割をせずに放置する問題点
遺産分割を放置する理由
・遺産分割の話を切り出さない
・皆の意見がまとまらない
・相続人同士の居所が不明
・認知症の相続人がいる
上記のような理由で遺産分割を放置してしまう方が多いです。
デメリット
・不動産の処分などができず、より費用がかかってしまう
・次の相続が始まり、さらに複雑になってしまう
・銀行手続きができない可能性がある
では、以下でそれぞれの詳細について見ていきましょう。
不動産の処分などができず、より費用がかかってしまう
デメリットとして、遺産の中に不動産が含まれている場合、遺産分割をしないと相続が出来ません。売却することはもちろん出来ませんし、名義も被相続人のままとなってしまいます。
よって、不動産の処分、その後の活用について困難になってしまいます。また、不動産には固定資産税、管理費用などがかかるため費用がかかってしまいます。その費用は、誰が負担するかの問題もあります。
処分や有効活用が出来ず、費用がかかるとなればしっかりとした遺産分割を行うべきです。
数年経つとより複雑な相続に
遺産分割が確定する前に、相続人であった人が亡くなるという場合をあります。この場合、初めの遺産分割協議が済んでいないのに次の相続が発生します。(数次相続といいます。)
こうなってしまうと、相続関係が非常に複雑化してしまい多数人による遺産分割ですので、その後の手続きなどが難解になってしまいます。また専門家に依頼するにしても、費用が高額になります。その後の手続きなどが難解になってしまいます。
銀行手続きができない可能性がある
相続財産の中に銀行預金がある場合、遺産分割協議が成立していないと銀行が払い戻しに応じてくれない可能性があり、遺産分割協議をしないまま預金債権を放置した場合、理論上として、消滅時効にかかってしまい、銀行がこの消滅時効を援用することで、預金債権が消滅してしまいますので、放置するのは大変です。