【解決事例】子供のいないご夫婦の終活|親の相続登記と「お互いに全財産を遺す」公正証書遺言を同時にサポートした事例
近年、ライフスタイルの多様化に伴い、「子どもがいないご夫婦」からの相続や遺言に関するご相談が非常に増えています。
「自分たちには子どもがいないから、万が一のときは、すべての財産が自動的にパートナー(妻や夫)にいくはず」
そう思われている方も多いのではないでしょうか?実は、それは大きな誤解です。日本の法律(民法)では、子どもがいないご夫婦の場合、残された配偶者だけでなく、亡くなった方の親や「兄弟姉妹(あるいは甥・姪)」も相続人になってしまうのです。
今回は、共通の知人からのご紹介をきっかけに、当事務所(杉並・荻窪相続遺言相談所/運営:林史人司法書士事務所)にお越しいただいたA様ご夫婦の解決事例をご紹介します。
奥様のご実家の相続登記(名義変更)をきっかけに、ご夫婦の将来を見据えた「公正証書遺言」の作成までをトータルでサポートし、大きな安心をお届けできた事例です。
1. ご相談のきっかけとお客様のプロフィール
ご相談者様のプロフィール
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お住まい: 東京都杉並区(荻窪エリア)
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ご家族構成: 60代のご夫婦(お子様はいらっしゃいません)
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ご相談の経緯: 当事務所の知り合いの方からのご紹介
最初のご相談内容
最初は、「妻の母親が亡くなったので、実家の土地と建物の名義変更(相続登記)をお願いしたい」というご依頼でした。
お話を伺うため、ご夫婦で当事務所の無料相談にお越しいただきました。とても仲が良く、穏やかな雰囲気のご夫婦でしたが、お伺いしていくうちに、もう一つの大きなお悩みを抱えられていることが分かりました。
それが、「自分たちには子どもがいないため、将来どちらかに万が一のことがあったとき、残された側が困らないようにしたい」という、ご夫婦自身のこれからの生活や終活に関する不安だったのです。
2. 子どものいないご夫婦が抱える「相続の盲点」とは?
ご相談の中で、ご夫婦は「私たちが亡くなったら、普通はお互いに全財産を相続するものだと思っていました」とおっしゃっていました。しかし、法律上のルールをお伝えすると、非常に驚かれていました。
ここでは、なぜ子どもがいないご夫婦に遺言書が必須なのか、法的なリスクを分かりやすく解説します。
法定相続人は「配偶者」だけではない
子どもがいないご夫婦の場合、どちらか一方が亡くなると、相続人は以下のようになります。
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配偶者(妻または夫): 常に相続人になります。
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亡くなった方の親(直系尊属): 親がご健在の場合は、配偶者と親が相続人になります。
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亡くなった方の兄弟姉妹(または甥・姪): 親がすでに亡くなっている場合は、配偶者と「兄弟姉妹(あるいは亡くなっている場合はその子どもである甥・姪)」が相続人になります。
今回のA様ご夫婦の場合、お互いのご両親はすでに他界されていましたが、それぞれにご兄弟がいらっしゃいました。つまり、もし遺言書を遺さずにどちらかが亡くなった場合、残された配偶者は、相手のご兄弟(義理のきょうだい)と一緒に遺産分割の話し合い(遺産分割協議)をしなければならないのです。
遺言書がない場合のリアルなリスク
もし遺言書がないと、以下のようなトラブルや負担が生じるリスクがあります。
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疎遠な義理のきょうだいとの話し合いが必要になる: 普段あまり付き合いのない義理のご兄弟や、場合によっては面識のない甥・姪と、自宅の権利や預貯金の分け方について話し合わなければなりません。
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実印や印鑑証明書をもらう負担: 銀行口座の解約や、自宅の名義変更をするためには、相続人全員の「同意(実印の押印と印鑑証明書の提出)」が必要です。「全財産を配偶者に譲る」という合意をもらうために、精神的に大きな負担がかかります。
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最悪の場合、自宅を売却せざるを得ないことも: 法定相続分(兄弟姉妹は全体の4分の1)を主張された場合、手元に十分な現金がないと、今住んでいる自宅を売却して現金を捻出しなければならないケースもあります。
💡 ここがポイント:兄弟姉妹には「遺留分」がない 法律には、最低限もらえる財産の取り分である「遺留分(いりゅうぶん)」という制度があります。しかし、亡くなった人の兄弟姉妹(および甥姪)には、この遺留分がありません。 つまり、「妻(夫)にすべての財産を相続させる」という遺言書を1通遺しておくだけで、ご兄弟に財産が渡るのを防ぎ、100%パートナーに財産を遺すことができるのです。
3. 当事務所(杉並・荻窪相続遺言相談所)からのご提案
A様ご夫婦のお話をじっくりと伺った上で、当事務所からは以下の2ステップでの解決策をご提案いたしました。
【ステップ1】 奥様のお母様のご実家の相続登記(名義変更)を完了させる
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【ステップ2】 ご夫婦それぞれが「もう片方にすべてを相続させる」という相互遺言を公正証書で作成する
まずは目先の課題である親御さんの相続手続きをクリアにし、その上でご夫婦がこれからの人生を安心して暮らせるよう、遺言書の作成を同時並行で進める計画を立てました。
4. 解決までの具体的なプロセス
【ステップ1】奥様のご実家の相続登記(名義変更)
まずは、奥様のお母様名義のままになっていたご実家の名義変更から着手しました。
2024年4月から「相続登記の義務化」がスタートしたこともあり、A様も「早く手続きを終えたい」と気にされていました。当事務所で戸籍謄本などの必要書類をすべて収集し、遺産分割協議書を作成。法務局への登記申請まで、スピーディーにお手続きを完了させました。
これにより、まずは一つ目の大きな肩の荷を下ろしていただくことができました。
【ステップ2】ご夫婦それぞれの「公正証書遺言」の作成
続いて、本題であるご夫婦の遺言書作成に移りました。今回のポイントは、お互いがお互いに全財産を遺し合う「相互遺言(そうごいごん)」という形をとることです。
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夫の遺言: 「私の財産はすべて妻に相続させる」
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妻の遺言: 「私の財産はすべて夫に相続させる」
このように、それぞれの遺言書を個別に作成します(※日本の法律では、1枚の紙に2人連名で遺言を書く「共同遺言」は禁止されているため、必ず1人1通ずつ作成する必要があります)。
なぜ「公正証書遺言」を選んだのか?
遺言書には自分で書く「自筆証書遺言」もありますが、当事務所では確実性の高い「公正証書遺言」をおすすめしました。その理由は以下の通りです。
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形式不備による無効のリスクがない: 公証役場の公証人(元裁判官や元検察官などの法律のプロ)が作成するため、法律的に完璧な遺言書が作れます。
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紛失や改ざんの恐れがない: 遺言書の原本は公証役場に半永久的に保管されるため、失くしたり、誰かに書き換えられたりする心配がありません。
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残された手続きがスムーズ: 自分で書いた遺言書の場合、亡くなった後に裁判所で「検認(けんにん)」という面倒な手続きが必要ですが、公正証書遺言なら検認が不要で、すぐに手続き(名義変更など)に入れます。
ご自宅近くの公証役場での作成をサポート
当事務所で遺言書の原案を作成し、公証人との事前の打ち合わせや調整をすべて代行いたしました。お客様に何度も公証役場へ足を運んでいただく必要はありません。
準備が整った段階で、A様ご夫婦のご自宅からアクセスしやすい「近くの公証役場」へご一緒させていただきました。 当日は、法律上必要となる「証人(2名)」も当事務所のスタッフが務めましたので、ご夫婦は公証人の前で内容を確認し、署名・捺印をするだけで、スムーズに手続きが完了しました。
5. 解決後の変化とお客様の声
すべての手続きが完了した後、A様ご夫婦から大変嬉しいお言葉をいただきました。
ご相談者様(A様ご夫婦)の声 「最初は母の家の名義変更だけで伺ったのですが、先生が私たちの家族構成を丁寧に聞いてくださり、子どもがいない私たちにとって遺言書がいかに大切かを教えてくれました。 もし私(夫)に何かあったとき、妻が私の兄弟と遺産の話をしなければいけないかもしれないと聞き、本当にゾッとしました。
お互いに『全財産を相手に遺す』という遺言書を、自宅の近くの公証役場できちんとした形で作成できて、本当にホッとしました。これで、どちらに万が一のことがあっても、残された側が困ることはありません。これからは、2人で安心してセカンドライフを歩んでいけます。親身にサポートしていただき、本当にありがとうございました。」
奥様の実家の相続登記という目前の問題だけでなく、潜在的に抱えていた「将来への不安」を根本から解消できたことで、ご夫婦の表情が目に見えて明るくなられたのが非常に印象的でした。
6. まとめ:子どもがいないご夫婦こそ、元気なうちに対策を
今回の事例のように、「うちは子どもがいないから、お互いに全財産がいく」と思い込んでいるご夫婦は非常に多いです。しかし、事前の対策(遺言書の作成)をしておかなければ、残された最愛のパートナーに、大きな精神的・経済的負担を強いることになってしまいます。
遺言書を作成することは、決して後ろ向きなことではありません。「残される大切な人を守るための、最大の思いやり」です。
当事務所(杉並・荻窪相続遺言相談所)では、杉並区・荻窪エリアを中心に、地域密着で多くの相続・遺言のサポートを行っております。
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