【解決事例】法務局に預けた父親の遺言書で相続登記!甥・姪とのトラブルを未然に防ぎ、迅速に自宅の名義変更を終えたケース
こんにちは。司法書士の林史人です。
2020年7月にスタートした「法務局の自筆証書遺言書保管制度」。大切な遺言書を法務局が安全に保管してくれる画期的な制度として、近年利用される方が非常に増えています。
今回ご紹介するのは、亡くなられたお父様がこの「法務局の遺言書保管制度」を利用して遺言を残されていたケースです。
「他の相続人に勝手に自宅の名義を変えられてしまうのではないか……」という強い不安を抱え、一刻も早い名義変更(相続登記)を希望されていたご相談者様。大量の戸籍収集という専門的なハードルを乗り越え、無事に単独名義への変更を完了した具体的なストーリーをご紹介します。
1. ご相談者様のプロフィールとご相談時の状況
まずは、今回ご相談にお越しいただいた木村様(仮名)の状況と、抱えられていたお悩みについて整理します。
ご相談者様の状況
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ご相談者: 木村様(仮名・50代男性・杉並区在住)
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被相続人: 木村様のお父様(最近ご逝去)
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他の相続人: 木村様のお兄様(既に他界)のお子様2人(木村さんから見た「甥・姪」にあたる代襲相続人)
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遺言書: お父様が生前に「法務局」に預けていた自筆証書遺言
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遺言の内容: 「自宅不動産(土地・建物)を含むすべての遺産を、次男である木村に相続させる」
抱えられていた不安とご相談の経緯
木村様がお父様を亡くされ、葬儀などの慌ただしい日々が一段落したばかりのタイミングで当事務所へご相談にいらっしゃいました。その表情には、深い悲しみとともに、強い焦燥感と不安が浮かんでいました。
木村様には、数年前に亡くなったお兄様がいました。お兄様には2人のお子様(木村様にとっての甥と姪)がおり、法律上はお父様の「代襲相続人(たいしゅうそうぞくにん)」として、木村様と同等の相続権を持つことになります。
生前、お父様は「最後まで同居して面倒を見てくれた木村に、この自宅を譲りたい」と常々口にされており、その意志を確実に叶えるために自筆で遺言書を書き、法務局の保管制度を利用して預けておられました。
しかし、お兄様が亡くなって以降、木村様はその子どもたち(甥・姪)とはほとんど行き来がなく、疎遠な関係になっていました。そのため、お父様が亡くなったことをきっかけに、以下のような不安に苛まれるようになってしまったのです。
「私が知らない間に、甥や姪が勝手に家の名義を書き換えてしまうのではないか?」 「早く名義変更をしないと、家を追い出されたり、無理な遺産分割を迫られたりするかもしれない……」
一刻も早くお父様名義の自宅を「自分単独の名義」に書き換えたい(相続登記したい)という一心で、木村様は当事務所へ駆け込まれました。
2. 司法書士による状況整理と安心のアドバイス
木村様のお話をじっくりと伺った後、私はまず、木村様の胸の中にある焦りや不安を和らげるために、法律的な観点から以下のポイントを丁寧にご説明しました。
① 他の相続人が勝手に名義を書き換えることはできるのか?
木村様が一番恐れていた「他の相続人に勝手に名義を変えられる」という点についてですが、結論から申し上げますと、他の相続人が無断で自宅すべての名義を木村様以外の名義に書き換えることは、実務上不可能です。
不動産の相続登記を行うには、相続人全員で話し合って実印を押した「遺産分割協議書」と全員の「印鑑証明書」を提出するか、あるいは有効な「遺言書」を法務局に提出しなければなりません。木村様の同意や印鑑なしに、他の相続人が単独で勝手に名義を変更することはできませんので、まずはその点をお伝えし、深く安心していただけました。
② 法務局に預けた遺言書は「検認(けんにん)」が不要!
一般的な「自筆証書遺言(自宅の引き出しなどに保管されている遺言)」の場合、相続が始まった後に家庭裁判所で「検認(けんにん)」という手続きを受けなければ、相続登記や銀行口座の解約などの手続きに使うことができません。この検認手続きには、通常1〜2ヶ月以上の時間がかかります。
しかし、お父様が利用されていた「法務局の自筆証書遺言書保管制度」の場合、あらかじめ法務局が遺言書を形式的にチェックして保管しているため、家庭裁判所での検認手続きが法律上不要となります。
これにより、一般的な自筆証書遺言に比べて、はるかにスピーディーに名義変更手続きを進めることができるのです。
3. 手続きの大きな壁:大量の「戸籍謄本」の収集
「勝手に書き換えられるリスクはない」と分かり、ホッと胸をなでおろした木村様でしたが、ここからが実際の手続きにおける最大の踏ん張りどころでした。
法務局に預けられている遺言書を使って相続登記を行うためには、まず法務局に対して「遺言書情報証明書(いごんしょじょうほうしょうめいしょ)」という、遺言書の内容を証明する書類の交付を請求する必要があります。
この「遺言書情報証明書」を請求するためには、お父様が亡くなった事実と、相続人が誰であるかを確定させるために、以下のような「大量の戸籍謄本」を揃えなければなりません。
今回必要となった戸籍謄本の範囲
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お父様(被相続人)の出生から死亡までのすべての戸籍・除籍・改製原戸籍謄本
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お兄様(先に亡くなった相続人)の出生から死亡までのすべての戸籍・除籍・改製原戸籍謄本
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木村様(相談者)の現在戸籍謄本
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甥・姪(代襲相続人2名)の現在戸籍謄本
お父様は昭和の初期生まれで、人生の中で転籍(本籍地の変更)を何度も経験されていました。本籍地が変わるたびに、それぞれの市区町村役場から古い除籍謄本や改製原戸籍を取り寄せる必要があります。
さらに、既に他界されているお兄様の出生まで遡る戸籍も必要となるため、集めるべき戸籍は合計で十数通におよぶことが判明しました。
「こんなにたくさんの古い戸籍を、自分一人で集められるでしょうか……」と不安そうな木村様。
そこで当事務所では、戸籍収集の具体的なロードマップを作成し、遠方の役場への郵送請求書の書き方や、どの役場に請求すればよいかを一から丁寧にアドバイスし、木村様が動きやすいよう全面的にバックアップいたしました。
木村様は非常に熱心で行動力のある方でしたので、私たちのガイドを手に、ご自身で積極的に各役所へアプローチされました。 「最初は文字がかすれて読めない古い戸籍に戸惑いましたが、教えていただいた通りに役所に問い合わせることで、パズルが完成していくように書類が集まり、驚きました!」と、木村様は当時の苦労を楽しそうに振り返ってくださいました。
多少の苦労はあったものの、木村様の素晴らしい行動力と当事務所の精査により、漏れのない完璧な戸籍一式を短期間で揃えることができました。
4. 「遺言書情報証明書」の取得と、無事の名義変更完了
必要書類がすべて整い、当事務所のサポートのもと、法務局へ「遺言書情報証明書」の交付請求を行いました。
書類に不備は一切なく、無事に証明書が発行されました。その後、この証明書を添付して、対象の不動産がある法務局へ「相続登記(名義変更)」の申請を行いました。
登記申請から約10日後、無事に木村様単独名義への名義変更(相続登記)が完了しました。
新しく名義が切り替わった「登記識別情報通知(いわゆる権利証)」を当事務所で手渡された木村様は、それまでの緊張が嘘のように、心底ホッとした柔らかな笑顔を浮かべていらっしゃいました。
「これで、誰かに家を追われる心配も、勝手に名義を変えられる心配もなくなりました。父が最期に遺してくれたこの家を守り、これから安心して暮らしていくことができます。先生に相談して、一緒に手続きを進めて本当に良かったです」
木村様の安堵された表情とお言葉をいただき、お父様の「大切な家を次男に遺したい」という最期の尊い願いを無事に叶えるお手伝いができたことを、私たち司法書士としても心から嬉しく、誇りに思いました。
5. 専門家が詳しく解説!知っておきたい「法務局の遺言書保管制度」3つのポイント
今回の木村様のケースで大きな鍵となったのが、お父様が利用されていた「自筆証書遺言書保管制度」です。非常に便利な制度ですが、相続が発生した後の手続きにおいては、いくつか知っておくべき重要なポイントがあります。
ポイント①:遺言書の「原本」は返却されない
先述の通り、法務局に一度預けた遺言書の原本は、遺言者が亡くなった後であっても、相続人に返還されることはありません。法務局で厳重に保管され続けます。
相続手続き(登記や銀行手続き)で使用するのは、原本ではなく、法務局から発行してもらう「遺言書情報証明書」です。この証明書が、遺言書の代わりとして法的な効力を持ちます。
ポイント②:相続発生後、やはり「戸籍の山」が必要になる
「遺言書を法務局に預けてあるから、相続手続きは一瞬で終わる」と思われがちですが、実際はそうではありません。
法務局に対して「遺言書情報証明書」を請求する際、およびその後の登記申請の際にも、今回のように「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本」や「相続人全員の戸籍謄本」が必ず必要になります。遺言書があるからといって、戸籍集めの手間が省略されるわけではないという点に注意が必要です。
ポイント③:他の相続人に「通知」が届く仕組み(関係遺言書保管通知)
法務局の遺言書保管制度の大きな特徴として、相続人のうちの誰か1人が「遺言書情報証明書」を取得すると、法務局から「他のすべての相続人」に対して、「あなたに関わる遺言書が保管されていますよ(証明書が交付されました)」という通知が自動的に郵送される仕組みになっています。
今回の木村様のケースでも、手続きを進めることで、疎遠だった甥・姪に対して法務局から通知が届くことになります。これは隠れて不当な手続きが行われるのを防ぐための極めて公平なシステムですが、親族間の心理的な影響を考慮し、事前に心の準備をしておく必要があります。
6. 相続登記の義務化について(2024年4月よりスタート)
今回の木村様は「親族間のトラブルを防ぎたい」「安心したい」という強いご意志のもと、迅速に相続登記を行われましたが、実務上も相続登記の早期申請は非常に重要です。
なぜなら、2024年4月1日より「相続登記の申請が義務化」されたからです。
不動産(土地・建物)を相続したことを知った日から3年以内に正当な理由なく登記を申請しない場合、10万円以下の過料(ペナルティ)が科される対象となります。また、手続きを長期間放置すると、さらに相続人が増えて人間関係が複雑になり、手続きの難易度が何倍にも膨れ上がってしまうリスクがあります。
今回の木村様のように、遺言書が存在する場合は特に、早めに対応することでトラブルを未然に防ぎ、最小限の労力で解決することが可能になります。
7. 杉並区・荻窪エリアでの相続登記・遺言のご相談は「杉並・荻窪相続遺言相談所」へ
「父親が法務局に遺言を預けているようだが、この後どう動けばいいか分からない」 「戸籍を大量に集めなければならないと聞いて、どこから手を付ければいいか途方に暮れている」 「他の相続人と疎遠で、できるだけ速やかに名義変更を終わらせて安心したい」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、杉並・荻窪相続遺言相談所(運営:林史人司法書士事務所)へご相談ください。
当事務所は、杉並区・荻窪エリアを中心に、これまで地域密着で数多くの相続・遺言に関する問題を解決に導いてまいりました。
当事務所が選ばれる理由
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初回相談は無料: まずはお気軽にお悩みをお聞かせください。
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親身で分かりやすい説明: 難しい法律用語を使わず、お客様の目線に立って丁寧にご説明します。
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お客様お一人おひとりのご不安を解消し、安心した生活を取り戻せるよう、誠心誠意サポートさせていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。
お電話やメール、お問い合わせフォームより、皆様からのご相談を心よりお待ちしております。
当事務所(杉並・荻窪相続遺言相談所)では、杉並区・荻窪エリアを中心に、地域密着で多くの相続・遺言のサポートを行っております。
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子どもがいないので、将来の相続が不安
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親の名義のままになっている不動産がある
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公正証書遺言を作りたいけれど、何から始めればいいか分からない
どのような小さなお悩みでも構いません。まずは当事務所の無料相談をご利用ください。司法書士が親身になって、あなたとご家族に最適な解決策をご提案いたします。
杉並・荻窪 相続遺言相談所では相続手続きについて、初めての方や慣れない方にお気軽に相談していただきやすいように無料相談を実施しております。
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お問い合わせは、お電話(平日9:00〜21:00)もしくはメール(24時間受付)よりご連絡下さい。
お電話>>03-5303-5356
その他
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